爺ヶ岳-針の木岳 2001/09/22-24

トムヤムクンゴーヤチャンプルに挑戦!!


【日時】2001年9月22日〜24日(21晩夜行列車利用)
【メンバ】腹ペコ山男

行程
朝ごはん
昼ごはん 夕ごはん
神戸-梅田(急行くろよん指定席)-信濃大町-バスで扇沢-種池山荘-爺が岳往復-種池テント場
クリームパン
あんぱん
チョコレートパイ
トムヤム雑炊
ゴーヤチャンプル
ミルクティ
種池テント場-岩小屋沢岳-鳴沢岳-赤沢岳-スバリ岳-針の木岳-針の木峠 名古屋味噌煮込みうどん
ミルクティ
クランチビスケット
カロリーメイト
マグダビビスケット
麻婆春雨丼
チーズとベーコン炒め
ミルクティ
針の木峠-針の木大雪渓-大沢小屋-扇沢-大町温泉郷-信濃大町-名古屋-大阪-新神戸-自宅 ホットチョコシリアル
ミルクティ
クランチビスケット
マグダビビスケット
昭和軒でトンカツ丼
自宅で海鮮丼

予備でパスタと出前一丁など1食分を用意



トムヤム雑炊 作り方 評価
水をコッヘルに注いだあと、アルファ米を入れて沸騰させる。ある程度沸騰してきたら、トムヤムクンの素を入れてしばらく煮込み、最後にペーストを入れば出来上がり。 妻が実家からひそかに盗んできたトムヤムクンのフリーズドライタイプを試してみた。台湾ラーメンで辛いのはダメというのが判明したので今回もやばいかなと思ったが、意外とイケる。ただし唐辛子は舌に触れただけで辛かった。汁はごくごく飲んだが,やはり辛いのが食べられない人には向かないかな。
ゴーヤちゃんぷる 作り方 評価
乾燥ゴーヤを水で戻したあと、さらにたまごスープの素を少量の水で戻す。十分に水を切っったあと、コッヘルを温め、油をひく。さきにベーコンを炒め、次にゴーヤを入れて一気にいためる。味付けは塩と胡椒できめる。 山で油のはじける音を聞くだけでなんとなく食欲を刺激されるものである。今回はどうしても炒めものをしたくて、たまたまスーパーで見つけたゴーヤの乾燥版をつかってみた。味はやはり「ニガイ」。トムヤム雑炊と共にふだん山では味わえないものを楽しんだ。ただ、所詮は乾燥もの。夏の一泊なら頑張って生野菜をもっていったほうがいいとおもった。
名古屋味噌煮込みうどん 作り方 評価
すがきやの名古屋味噌煮込みうどんを沸騰したお湯に放り込む。最後に味噌を入れて煮込めばはい、できあがり。 朝から味噌煮込み〜?と思うかも知れないがこれが意外や行ける。味噌を半分にしようかと思ったが食べてみると意外と薄味だったので全部入れた。腹持ちは非常によかった。できればねぎとかまぼこなどがあればいいね。
麻婆春雨丼 作り方 評価
沸騰したお湯にアルファ米を入れ、米がやわらかくなったら麻婆春雨の素を放り込んで煮込む。非常に簡単! アルファ米をいれすぎてしまい、汁気が殆んどない、完全な春雨丼になってしまった。ほんまは春雨雑炊の予定だったのだが・・・。結局1/3くらい残してしまい、後ろの単独行の人に食べてもらった。(笑)
ベーコンチーズ 作り方 評価
コッヘルを温めて、油をしいたあと、ベーコンとチーズ(ストリングタイプ)を炒める。キツネ色の焦げ目がついてきたら、塩コショウを振って出来上がり。 ベーコンが余っていたのでその場の思いつきでやってみた。チーズは冷えるとかたまるのでせんべいのようになってしまった。熱いうちに酒のあてとしてつまむのがいいでしょう。
ホットチョコシリアル 作り方 評価
お湯を沸騰させ、スキムミルクを入れて温めたあと、チョコシリアルをそそぎこむ。 ふつうのシリアルはリスになった気分になるので×チョコレートが入っていると食べやすいと思い挑戦。朝方は寒かったので急遽ミルクを温めて食べた。腹持ちもよく、なかなかこれは使える一品である。


【山行日記】
9月21日(金曜日)

年は夏休みがとれなかった。三連休を使うしかないと心に決めた。急行くろよんの指定席を予約し準備万端。ところが金曜日、東京から来た部長が勉強会に来て「今日の予定は19時までである」と宣言したので慌てる。そこまで会社にいたら「くろよん」に乗り遅れる!!焦ったが、なんとか18時に終わり、慌てて退社し、一度自宅に戻ったあと、JRで大阪駅に滑り込んだ。しかし「くろよん」はガラガラ。拍子抜けする。指定席よりも自由席のほうが空いているということで私の周りの人たちが皆移動したので休日前だというのに4席を一人で占領して豪快に寝た。夜行で寝れたのは久しぶりのような気がする。

9月22日土曜日

松本あたりで目が覚めた。何人かが荷物をまとめて降りていく。社内にいたかわいらしい女の子たちは予想どおり穂高駅で降りた。表銀座だろうなあ〜。外を見ると小雨だ。ありゃー。信濃大町に到着すると雨はやんでいるが、登山者は予想より少ない。一人ものを集めてタクシーわりかんしようと意気込んでいたので拍子抜けしてしまい、バスに乗る。1330円だったかな。扇沢に近づくにつれて霧が濃くなり、小雨が降っている。扇沢の端でパッキングをし、ひさしぶりに雨具の上を着込んでいよいよ出発だ。柏原新道は着た道を15分ほど戻った橋を渡ったところにある。たくさんの人が登山準備をしていた。さあ、気合を入れて登る。最初の1時間は急登である。ゆっくり歩く。途中で大粒のひょうが降って来た。石畳を過ぎ、最後の急登を登るとふと前方に種池小屋の頭が見えた。急に力が抜けた(^^)。力を振り絞って種池山荘の前を通り、ため池のような種池を通過してさっそくテント場へ。まだ4張りしか張っていなかった。10:55到着。
小雨と霧の扇沢 種池山荘は人でいっぱい 種池ってこれかよ〜

テントを張ったあと、横に6人ほどの団体が来た。こんなに空いているのに真横にテントを張り、しかも張り縄を私のテントの真横に打ち込んだ。さすがにちょっと閉口したのでテントをすこし移動した。団体のテントには○年山友会と書いてあった。おいおい。
さて、天候を見て爺が岳にアタックをしようと思っていたが、天候回復の兆しが見えないのでガスのなか、進むことにする。11:55出発。種池を過ぎてすぐ雷鳥親と遭遇。堂々と登山道を歩いているのでしばらく立ち往生する。カルガモ一家のようなのんびりさだった。30分で爺が岳の南峰に到着。写真を撮る。ここで天候の回復を待つ。ガスがときどき途切れて爺が岳の中峰が見えた。1時間ほどねばったあと、中峰に向かう。
私のテント 雷鳥の親子と遭遇! 爺ヶ岳南峰に登頂
爺ヶ岳中峰が見えてきた 青空が顔をのぞかせた 爺ヶ岳に登頂

爺ヶ岳中峰でも1時間ほど粘ったがついに天候は回復せず、ガスの中、植物やガス野山を撮影しながらのんびりとテント場に戻った。テントはだいぶ増えてた。
爺ヶ岳南峰を振り返る ガスとカメラマン うつくしい赤色

テントに戻ってきてからしばらくして食事の準備に取り掛かる。すでにあちらこちらからのテントから酔っ払った声が聞こえる。ふとかつりんさんの仁義なき闘いを思い出したので食事を済ませたあと、さっそくシュラフを出して寝る。7時頃小屋のお姉さんが大きな声で「すいません、ご協力お願いします」とカナキリ声を挙げている。どうやらこんな遅くに団体が到着したらしくテント場を詰めてくれとお願いをしてるらしいが、お姉さんは関東の方らしく「スミマセンが、御協力お願いします!=おまえらさっさとどけ!」と真意がもろに伝わる言い方をしておられました。こんな小屋泊まりたくねえ〜って思った。こういうときは京都か大阪の姉ちゃんがええと思うんやけどなあ。
無法者達の大騒ぎに怯えつつもシュラフに入る。ふたたび目が覚めると10時。すでにまわりはしずまり帰っている。良かった〜。しかしなんだかとっても寒い。テントを空けてみると強烈な冷気が入ってくる。2時頃トイレに行くが、超寒い。ただし、空を見あげてみれれば満天の星空。明日に期待する。

9月23日 日曜日

は4時に起床する。今日は味噌煮込みうどんだ。強烈に寒い。外に出てみると霜が立っているらしく歩くとシャリシャリ音がする。うどんをかきこみながら今日の長丁場を考え早く出発することにする。5時にテントを撤収し、ヘッドランプをつけてテント場を後にする。棒小屋乗越でザックを下ろし日の出とシャッターチャンスを待つことにする。
荘厳さを感じる夜明け 荘厳さを感じる夜明け2 次第に明るくなってくる

この位置からは太陽は直接見えないが、種池山荘とむもとの町と背中を見れば剣岳が見えるなかなかいい位置だ。5:30に種池山荘で「食事の準備ができました〜」と拡声器でアナウンスがあった。ありゃーなんか幻滅。登山道にすわってシャッターチャンスを待つ。富士山が浮かび上がってきた。夢中でシャッターを押す。いい写真が撮れたことを確信してザックを背負い、岩小屋岳を目指す。最初の5分ほどはいつもながらしんどく感じる。今日はほんまに針の木まで行けるのだろうかと心配になる。5センチほど盛り上がった霜柱をしゃりしゃりと踏みながら急なのぼりを上り詰めるとそこは岩小屋岳山頂。山頂では昨日、針の木雪渓を上がってその日のうちに新越山荘にまで着いたという健脚な方にあった。世の中凄い人がいるもんだ。
岩小屋岳山頂 朝日に染まる剣岳 大きな立山
剣岳雄姿 針の木までの縦走路 針の木小屋ははるかむこう

朝焼けに染まる剣岳、立山の展望を楽しみながら、はるか稜線にも目をやる。針の木はまだまだ遠いなあ。岩小屋岳での展望を楽しんだあとは新越山荘のある鞍部へ一気に下る。今日は雲ひとつない快晴だ。こんな天気ひさしぶりのような気がする。わくわくしながら歩く。新越山荘からも富士山が見える。ベンチに越しかけると次の目標の鳴沢岳が見える。ここから1時間の行程だ。
 
新越山荘からの富士山 鳴沢岳が見えました 大きな北アルプスの山
鳴沢岳山頂 赤沢岳を望む 赤沢岳山頂

呼吸を整え一歩ずつ登る。鳴沢岳で2つ目のピークと思うとうれしくなる。30分ほどで山頂に到着。いいペースだなとちょっと余裕をかましてみる。みかんをひとつ食べる。うまい!山頂から次の赤沢岳がとーんと見える。8時10分に山頂を出発し赤沢岳に向かう。頭を右に向けてれば剣から立山、そして五色ヶ原が見える。よく見ると大観峰も見える。天気も快晴だ。しかしこのころから足取りが重くなってくる。う、う、やばい。9時過ぎに赤岩岳山頂に到着。ここでは針の木方面から縦走してきた人と沢山会った。
 
ふたつの山頂を振り返る 黒部湖が見えるぞ スバリ岳は遠そうだ
薬師岳遠望 針の木峠も見える 赤沢岳を振り返る

とっておきのみかんを2個食べてパワーアップを図る。次の目標のスバリ岳はかなりてごわそうだ。眼下には黒部湖が見え、黒部湖をわたる船のエンジン音が遠くこだまして聞こえてくる。目を遠くにやると薬師岳方面もくっきりみえる。いい場所だ。しかしあまりじっとしていると根っこが生えてしまう。途中で何度も何度も止まりながらも足を進める。足がだんだん上がらなくなってきた。情けないと思うが日ごろエレベータに乗ってまったく運動していないツケがこんなところでまわってくるのはなんとも悲劇である。体力さえあればこんなに面白いスポーツはないのに!と悔しく思う。気合だけで足を進め、最後の急登を登るとスバリ岳の山頂だ。山頂はあまり広くない。登ると稜線続きだと思っていた針の木までの道のりは実はかなりの上りがあることがわかりガーん
 
針の木は遠い 大きな立山 尾根に支えられた薬師岳
針の木山頂だ 高瀬ダムがみえる 五色ヶ原を支える尾根

針の木までは一時間と書いてあるがたぶんもっと時間がかかるだろうと覚悟を決めてスバリ岳からまず下る。鞍部まで行って一休み。そこから針の木山頂までの時間が本当に辛かった。途中でなぜか道を踏み外し、右の岩屑地帯に足を踏み入れてしまう。目の前に踏み跡があったので迷い込んでしまったようだ。慎重に岩を選んでのぼり、登山道に戻る。20分くらいこれでロスしてしまった。こんなことは初めてだ。やはり相当疲れてるのが分かる。慎重に歩きながら、やっとのおもいで針の木岳山頂に到着。ザックを置いてへたれこんだ。みると正面には高瀬ダムと裏銀座、槍、表銀座、遠くに乗鞍岳、立山剣、そして白馬方面、焼山、火打山、戸隠妙高もくっきり見える。あいかわらず雲ひとつない青空だ。あとは下るだけだと思うといつまでもここにいたいと思う。今日の行程もはっきり見え、満足したところで針の木峠へ向かう。気持ちが緩んでるだけになんだか、ちょっとこの道もしんどい。ゆっくり降りる。途中で一休みして最後の尾根道を降りるとテント場に出てくる。テントはまだ3張りくらいしかない。ザックを下ろしてふらふらしながら針の木小屋へ。500円を払い、幕営の受け付けをしたあと、ジュースを一気飲みして小屋の従業員と雑談する。昨日はテント場は大混雑で小屋はそれほどでもなかったようだ。今日の天気はほんとうに最高と何度も言っていた。自分の幸運を私は喜んだ。テントは一番山側に張った。
 
白馬方面もくっきり 鹿島槍と爺ヶ岳 北葛岳
槍と穂高連峰 夕日に染まる北葛岳 私のテント

針の木小屋の前からは北葛岳や船窪岳がはっきりと見える。いつか行ってみたい山だ。夕食後、夕暮れを楽しむ。今日の日よ、さようなら。夜はひさしぶりにラジオをつける。北アの穂高でおばさんが滑落死したことを告げるニュースが流れていた。合掌。夜は予想より寒くなくぐっすり寝ることができた。テント場は空いていた。

9月24日 月曜日

日は下山の日だ。4時30分に目が覚めた。早速テント内でお湯を沸かしてシリアルを食べる。テントから出ると外は次第に明るくなってきた。カメラを構え朝日に燃える山々を撮影する。さあ、あとは針の木大雪渓を下るだけ。あ、でも雪渓はもう溶けてないんだよなあ。昨年の感覚では10月でも大量に雪が残っていたのでアイゼンを持参したのに完全に無用であった。滑りやすいジグザグの道をゆっくりとくだる。雪渓はすでに崩壊してるので巻き道を通るが、これは谷からおおきく山腹を巻く形に出来ているので意外とキツイ。予想外であった。2時間30分ほど歩くと突然、右手に大沢小屋が現れる。すでに太陽もあがり、かなり暑い。日陰でレーションをぽりぽり食べる。
朝食つくってます 朝の富士山 朝の富士山2
朝日に染まる針の木岳 裏銀座の山々 針の木雪渓のノド部分

大沢小屋から山側の道をたどる。次第に車の音が聞こえてくる。もうすこしか?と思うがなかなか車道は現れない。ふとあまりに目的地を急ぐ自分に気がつく。せっかくだからアルプスの樹林を楽しむように気持ちを切り替える。キノコを取っている人に出会った。声をかけると採ったキノコを見せてくれた。楽しそうだ。1時間ほど下ると工事現場に出た。ザックを下ろして休んでいると中高年の3人さんが来た。工事現場の人となにやら話しをしてる。耳をダンボにするとどうもこの先においしい水が出ているとのこと。さっそく彼らのあとをしれっとついていき、水を汲む。(^^)これが嫁さんへのおみやげになる。扇沢にはここから何度も登山道と道路を交差しながら進み、最後はトローリバスのゲートの横にひょっこりでる。あ〜やった。ついにたどりついた。感動でいっぱいだった。
 
爺ヶ岳を見ながら下る 今日も天気がいい 工事現場から振り返る
登山口に到着! 昭和軒のトンカツ定食 こんな店構えですよ

扇沢でおやきとミルクティを買ったあと、切符売り場で大町温泉郷までの切符を買う。バスに乗り込み、荷物を置くとあれ、どこかで見た人がいる。あ、爺ヶ岳でいっしょにカメラと山の話をした京都のおっちゃんや!思わず声をかける。今日朝、8時頃に扇沢に種池から下山したが、あまりに天気がいいのでもう一度カメラを持って上ってきたという。(^^)すげ〜。結局一緒に大町温泉郷まで行きました。浴場は改装されており、私は入って左側の湯に入ったのだが、実は右側にあたらしい浴場ができていたらしく出てから知った。そんな豪華な風呂じゃなくてもいいのになあ〜とふと思う。12時11分のバスに乗ってしなの大町へ向かう。バスはやはりかなり汗の匂いがきつい。なんでみんな温泉入らないのかな〜。信濃おおまちでザックを下ろして電車の時刻を確認する。13時10分に松本行きの普通電車があるのがわかったので昼飯を大町で食べることにし、町に繰り出す。先輩がお薦めの昭和軒を偶然発見してのれんをくぐる。いそがしいらしく誰も厨房から出てこない。「おばちゃん〜、このへんに座っとくでぇ〜」と声をかけ、片付けてない皿も片付けてトンカツ定食を頼む。商売繁盛やね、おばちゃんと声をかけると昨日もお休みをしてしまったので今日は稼がせてもらいますとの元気な答えが帰ってきた。トンカツをまだかまだかと待つがなかなかでてこない。でてきたころには電車は出発していた。(爆)諦めてトンカツを堪能する。駅に戻って見ると臨時のしなの24号があることに気が付く。らっきー!指定席はすでに満席ということで自由席の札のところに並ぶ。席は無理とあきらめていたが座れた。穂高で京都石楠花山岳会の方と同席になり、山話をいろいろ聞く。名古屋で新幹線に乗換え、これもラッキーなことに座ることができ、新神戸で下車。タクシーに乗って帰宅した。
 



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