剣岳池の平 2000/10/7〜9 

秋の北アルプスの谷歩きを楽しみました。



【日時】2000年10月7日〜9日
 
行程
朝ごはん
昼ごはん 夕ごはん
自宅-名神高速西宮-北陸道
-立山IC-電鉄立山駐車場
- - しずがたけSAで牛丼
立山駅-室堂-雷鳥平-別山
乗越-剣沢-真砂沢(C1)

クリームパン
チョコパン1個
マクダビビスケット2枚
カレーウドン
海老韓国ノリごはん
お茶
真砂沢-二股-北股-池の平-
北股-二股-真砂沢-剣沢(C2)
ごはん
にんにく味噌汁
魚肉ソーセージ+マヨネーズ
ロールケーキ1個
ウィーダゼリー1袋
キットカット1個
ラーメン1個
マヨネーズ丼
お茶
剣沢-別山乗越-雷鳥平-室
堂(GOAL!)
シーチキン焼きそば マクダビビスケット2枚
練乳
チョコパイ1個
富山のとんかつ屋
「たっちゃん」で
チーズカツ定食
<その他持参した食料>
ジフィーズすきやき丼(予備食)


 
New!
海老韓国ノリごはん
作り方 評価
【用意するもの】
アルファ米80g、乾燥海老、韓国海苔

アルファ米を水に浸し、乾燥海老も同じにほうりこむ。水がひたひたになったら火にかけてごはんを炊く。炊けたら韓国海苔をちぎってふりかける。

 今回のテーマは冷蔵庫にあるものを利用した山飯である。急いで山行計画を組んだので必然的にそうなった。(爆)

乾燥海老も1年前のものだった為、香りもいまいち。すりごまかなにかをかければそれだけで食べられる味になったと思う。

カレーウドン 作り方 評価
【用意するもの】
カレーウドン

これは通常どおり,沸かして麺が柔らかくなったらカレーうどんのスープを入れて出来あがり。

海老韓国ノリごはんと友に食べたが、やはりカレーウドン単体では物足りない。にんにくをいれてみたけどさみしさは否めなかった。

以前武奈ヶ岳で作った煮こみカレーウドン(ネギや野菜をたくさんいれたもの)のように一工夫必要

New!にんにく味噌汁朝定食 作り方 評価
【用意するもの】
昨晩の海老韓国ノリごはん、マルコメ味噌、にんにくチューブ、魚肉ソーセージ、マヨネーズ

 

たまには朝ご飯に味噌汁という伝統的パターンで挑戦しようと試みた。「そういえばにんにく味噌ってあったな、にんにくを味噌汁に入れもおいしいんとちゃうか?」と思ったのが間違い。
はっきり言ってまずかった(涙)
New!マヨネーズ丼 作り方 評価
【用意するもの】
アルファ米、シーチキン缶、魚肉ソーセージ、マヨネーズ、ラーメンのスープの素

アルファ米を炊き、その上に切った魚肉ソーセージとシーチキンをまぶす。その上にマヨネーズをかけ、醤油ラーメンのラーメンスープの素をかける。食べる前にかき混ぜて一気にかけこむ。

今回はこれまでの持論を覆すようなアルファ米をいわゆるお米として食べることを心がけた。しかし単体ではやっぱり味が劣る。そこでシーチキンマヨネーズという巻き寿司があったことを思いだし、それをどんぶりにしてみた。

さすがに一瞬「おえっ」ときそうになったが食べ出したら意外とうまい。醤油できちんと味をつけたらもっと美味しいだろう

New!剣沢らーめん 作り方 評価
【用意するもの】
すきやねんラーメン、韓国海苔

お湯を大量にそそぎ、ラーメンを茹でて最後に海苔を入れて出来あがり。

真砂沢から登り返して剣沢で作った一品。裏銀座縦走したときに食べた双六小屋のラーメンを思い出して海苔を載せてみた。このラーメン食って1時間昼寝した。

今回海苔をいれたのは初めてだけどゴマの香りがなかなかよかった。

<おまけ>ウィダーゼリー 作り方 評価
木村拓也の宣伝を見て「チャージできるのかな?」と半信半疑で今回試してみた。感想としては見た目より量が少ない!

ずずー!」と一気にすったら5秒で空っぽになってしまった。マスカットの匂いはよかったけど満足感なしでした。

うーん、感想としては「重い割にはPowerでないなー」というところです。ごめんなさい。

【山行日記】
10月6日
木曜日に天気予報を見ると週末が晴れとなっているではないか。たしか先週みたときは雨だったのに!あわてて木曜日に帰宅後ザックのパッキングを始める。金曜日の夜に出発すればいいなと思っていたらナウシカから「明日は名神は夜中通行止めやで」と言われて調べるとたしかにそのようになっている。金曜日の朝出社するなり、上司に半休いただきますと宣言し、仕事もそこそこに退社。ところが出たとたんに鳥取地震の影響で電車動かず。(涙)普段40分で帰れる我が家に1時間30分かけて帰宅。4時頃家を出発し、立山ICへ向けて激走する。しずがたけSAで牛丼を食べ夕食とする。立山駅には10時すこし前に到着。始発の時間を確かめた後、後部座席でシュラフをかぶって寝る。

10月7日
4時30分に起きてパッキングを始める。寒かったので上はもっと寒いと思い、3シーズン用シュラフから冬用シュラフに装備を変更する。ぐえっ、これでまた重くなる!と思いつつ寒くて寝れなかった過去の経験を振り返り黙々とパッキングをやり直す。

6時20分の始発のチケットを手に入れてしばらく待つ。団体さんから小屋泊まりのおじさんたちがどんどん集まってくる。ザックの大きな団体はあまり見当たらない。うとうとしながらケーブルカーとバスを乗り継ぎ、室堂に到着。室堂はド快晴だ!
ケーブル駅は混雑 どっしりした雷鳥沢 浄土山をバックにした紅葉

室堂を後にし、雷鳥平に向かう。なんだか左の頭が痛い。高山病かな?と思い、ゆっくり呼吸しながら歩いていると自然と消えた。雷鳥沢はこんもりとデカイ。積雪期のルートとはことなる夏の道をしっかり踏みしめながら登る。途中で山岳マラソンが趣味の夫婦に出会う。来週からの国体でのレースに参加するのでトレーニングきたのとこと。足どりは軽くあっという間に視界から消えた。1時間で別山乗越に到着。ここからの剣は何度も見た風景だけど何度見てもいい。ここから剣沢へ向い、まだ足を踏み入れていない真砂沢へ向かうことでドキドキワクワクしてくる。
そびえる剣岳 荒荒しい八ツ峰 深い谷を降りていく

最初は急な下りで谷底はまったく見えない。しばらく歩くと滝が出てくる。この滝を越すとどうやら雪渓のようだ。滝の上で休息したあとアイゼンを装着し、谷を下る。思ったよりも谷は深くどんどん下る。目の前に岩壁が迫り迫力満天
平蔵谷をバックに 平蔵谷 真砂沢を振りかえる

長次郎谷の出会いをすこし降りたところで一旦雪渓が途切れる。アイゼンを脱ぎしばらく歩くと真砂沢小屋が左の端に見えた。想像以上の雪渓の長さと雪渓歩きに疲れ、テントを張ったあとしばらく昼寝をした。
 
どんどん谷を下る 一面の大雪渓 落ちついた雰囲気の真砂沢小屋

4時ごろに男3人女3人の中高年登山隊が到着。テント泊らしく装備が重かったとのことで「あー、やっときたー」と歓喜の声をあげる。ここまではよかったのだが、この隊の隊長格のおやじの声がやたらでかい。しかもさあ、テントをどこに張ろうかと相談しだした彼らは休息場でもある私のテントのすぐ横に張ろうとするではないか。こんなに広広としたテント場でなぜ?動けよーと思いながら黙ってみていたが、これでは夜中も相当うるさいはずと観念し黙ってテントを移動した。予想に反して夜8時を過ぎるとみんな疲れて寝たようで静かな、沢の音だけ聞こえる優雅な時間を過ごすことが出来た。明日はアタック装備で池の平を目指し、その日のうちに剣沢までテントを担ぎ上げれば明日中に神戸に帰宅することが出来ると地図を広げながら考え(あー、サラリーマン!)ているうちにぐっすり寝てしまった。
 

10月8日
毎度のことながらではあるが、また寝坊した。起きたら5時だった。慌てて朝飯を取りアタック装備を詰めて5:45分に真砂沢を出発する。小屋泊まりの方たちも何名か動き出していた。二股への道は川沿いをひたすら歩く。40分ほどで巨大な近藤岩が見えてきて左に二股の橋が見えてくる。数人乗ったら落下しそうな橋だ。
 
二股にかかる橋 近藤岩はまじででかい

ここからは三の窓雪渓が見える。橋の横でしばし休憩し、仙人池経由か、北股経由で行くかを検討する。今年は残雪が豊富だし、北股経由でいくかと思い足を進める。途中で北股雪渓通行可能との立て看板が立っていた。ありゃ、こんなものがあるご時世なのか?と思いつつ「ラッキー」とほくそえむ。雪渓が大きく口をあけており、慎重に足を運ぶ。三の窓雪渓が目の前にそびえている。雪渓から山を詰めるというのはなんとも言えないいい気分だ。三の窓出合いから道を右に分けるとふただび雪渓が現れる。朝はやいだけにピッケルのスピッツエも刺さらないくらい雪渓は硬い。誰も会わないだろうなと黙々と歩いていると上から3人の登山者が下ってくるのが見えた。昨日出会ったマラソンおばちゃんだ。聞けば池の平小屋は昨晩はずいぶん混んでいたそうだ。目の前に池の平山が現れる。どきどきする。この感覚久しぶりです。
 
二股雪渓からの三の窓雪渓 三の窓 池の平山が見えた!!

小窓雪渓との出合いで尾根に取り付く。この尾根は急だ。なんども立ち止まり、戻る理由を考えてしまう。尾根の途中で25000/1の地図を出し、地形をずっと読むと目指す池の平はもうすぐというのが分かり元気になる。尾根を登りきるといきなり池の前に出た。カメラマンが何人か裏剣と池をセットで撮影をしている。池の前を歩いていると大声で「すいませんー。どいてください」と声が聞こえる。「おいおい、ここ歩かないとそっちには渡れないんだぞ、どけとはどういうことだ?」と心の中で叫びながら無視する。はあ〜とちょっと興ざめ。自分の作品作りしか頭にない人は山岳写真なんか止めるべきだなあ。
 
二股谷を振り返る 裏剣をバックに 紅葉全開!
思っていたよりは小さく見えた 鹿島槍ヶ岳遠望 真砂沢を登り返す

裏剣は僕の印象としては、想像が膨らんでいた分だけプロカメラマンのテクニックにだまされたーと思った。実際はそんな眼前にはなく、ずいぶん遠いのである。とはいえ今回は谷歩きがメインだったのでさほど気にはならない。むしろ三の窓や長次郎からの剣岳、そして北股をアプローチに出来たことに魅力を感じて止まなかった。早々に池の平を後にして尾根を下る。今日は曇天ではあるが気温が高いため雪渓も緩んでおり、帰りはアイゼンなしで下る。あっという間に二股についてしまった。ここから団体さんとすれ違いながら真砂沢まで戻る。

真砂沢でミルクティを飲んだあと、いよいよ気合を入れて12時に出発し、剣沢へ戻る。ひさびさの長時間行動である。長い。長い。平蔵谷出合いを過ぎたあたりからペースが落ちる。コースタイム2時間のところを3時間かかってしまう。文登研の小屋が見えて力が抜けてしまい、尾根を上がったらテント場までもうひと登りあることに気づいて一人で「だまされた?」と叫ぶ。
テントを張った後、裏銀座縦走をした際の双六小屋のラーメンの味を思い出しさっそくラーメンを作って食べることにする。ラーメンをかきこんだあと、シュラフに入り昼寝をする。あー疲れた。夕食は6時頃に取り、片付けをしながら剣のほうをみるとヘッドランプの光が前剣に2つ見える。あれ、ずいぶん遅いなと思い、しばらく見ているがちっとも動かない。

ラジオを聞き、明日は天候が崩れるだろうから3時くらいに起きてはやめに脱出しようと思いシュラフに入ると外がやけにがやがやする。ん?と思い外を覗いて見ると先ほどのヘッドランプをつけた2人組が私のすぐ下のテントに戻ってきた。「御心配おかけしました」と盛んにテントの仲間に言っている。「良かったね。」と思っていたらメンバ-の誰かが「とりあえずビール飲もう、乾杯しよう」と言い出した。う!やな予感がする。不安的中!
このトランシーバーを持ち他の場所にも仲間がいるらしい山崎隊長率いる部隊は夜の11時までがやがやと大騒ぎ。また声がでかい。こちらも昼寝と緑茶を飲んだせいかちっとも眠くないのでやたら気になる。「しずかにせんかい!」とキレて叫ぶ。声が届いたらしく彼らはテントの中に入りぼそぼそと話しをするようになる。しかしガソリン(酒)の力か、結局元に戻る。あきらめようかと思ったら、突然雨がどどーっと降ってきた。うおー!最悪だ!しかも風も轟々と吹いてきてテントが揺れる。騒音が聞こえなくなったと思ったら今度は天災だー。シュラフの頭が濡れるし、テントもずいぶん浸水する。こりゃどうしようもないと諦め、体をちぢめて寝た。
 

10月9日
雨は依然として止まない。小雨になった脱出しようと考え5時すぎに食事をし、登山靴を中で履いて待機する。ほんま合宿の気分である。風も止み、小雨になってきたので気合を入れてテントをたたみ、6時すぎに出発する。剣沢の上部はすっかりガスっており、視界は20mほど。ゆっくり別山乗越を目指す。疲れもたまっているらしく最後の岩場の登りが堪える。剣御前小屋の前で休憩。雷鳥沢から猛烈な風が吹き上げてくるが食べないとばてるのでザックの陰に隠れてビスケットをほおばる。
やかましかった山崎パーティのテント ガスの剣沢 剣も隠れました

ここから雷鳥沢までは下りなので途中の紅葉も楽しみながら一気に駆け下りる。膝ががくがくしてくるが気にしない。最後は一人で歌を歌いながら雷鳥平についた。称名川にかかる橋をわたったところで休息。最後の難関?室堂までのコンクリートの階段を見上げる。はあ、なんど来てもこれはつらいな…と諦め、観光客のおじさん、おばさんにまじって登行を開始する。ふりかえれば御前小屋あたりはすっかりガスの中だ。さながらカーテンに覆われているようである。室堂につくとそこは観光客で一杯。下に下りてみたらさらに一杯でびっくり。

駅でミルクティを飲み、10時室堂発のバスに飛び乗る。美女平で15分ほど待った後にケーブルで下る。駐車場で着替え年金休暇センターに向い風呂に入る。すっきりした後、富山に出ておなじみトンカツのたっちゃんに行った。客は僕だけだった。御主人と女将と会話しながらチーズカツ定食のライス大をほおばる。最近は若い子が山やらなくなったからうちへ来る子も少なくなったねえと少々寂しげだった。TVでは千代田生命が破綻したことを盛んに報道している。富山でマス寿司を買って14時30分頃、富山ICに入る。神戸までは大渋滞の連続で、帰宅したのは22時前であった。ほえ〜疲れた。
 
ガスと紅葉 稜線もガスでした 富山のトンカツ屋「たっちゃん」
 



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